【行事の流れ】
(1) 盆前になると各班ごとに同士加の招集があり、頭(カシタ)の指示により下頭(シタガシタ)を中心に集落内の墓地の不要になった霊屋(タマヤ)・竹の花瓶・竹の線香立てを集めた。七夕の墓地掃除のため沢山あった。
(2) 夕方になると踊りの稽古のため同士を集める唄を大声で繰り返し歌う。
コンニャデント コムッガライッバ テマゴッチョ ホーイホイ
(今夜出てこないと 小麦藁束を一把 松明を5丁 ホーイホイ)
(3) 盆に入ると土俵作りがあり、相撲の練習が始まる。旧暦8月1日頃は闇夜であったため、霊屋(タマヤ)等を燃やし、相撲の練習時の明かりにしていた。火の担当は下頭(シタガシタ)。主な仕事は、下頭(シタガシタ)がやっており、頭(カシタ)は威張っているのみであった。明かりは十五夜の前日まで焚かれていた。
(4) 本格的な行事の始まりは、旧暦8月1日。下頭(シタガシタ)を中心に茅切りが始まる。また、集落内(班)の各家を廻り、藁を譲ってもらう。藁のない家からはお金をもらった。
(5) 本番一週間前に長木を使った櫓が同士加によって建てられる。
⑹ 雨の日は、公民館ができる以前は、長木を納めた三角形の藁小屋の中で、十五夜当日、綱引き前の歌を練習したり、わら帽子を編んだりして過ごす。
綱引き前の唄(小声で練習、本番は大声)
ハッガッノジュゴ ヤンツーナエートエート ハッガッゴ
ジュンツーナエートエート ゴヤンゴヤンゴヤン
八月の十五夜の綱へと綱へと(集まってよ)(豊作の)占いが始まるよ
純(清められた)十五夜の綱へと綱へと(集まってよ) ごやんごやんごやん
7. 大綱作りの2〜3日前になると、大綱の芯になる竹を切り出し、竹を割って準備を整える。また、芯になる竹をくくるための葛蔓(カンネンカズラ)を採りにいく。採った葛蔓は、乾かぬよう川の中や洞穴に置いた。一方、頭(カシタ)や下頭(シタガシタ)は、集落内の青年(ニセどん)の家を訪ね、大綱作りの依頼をして回った。